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和文仏訳レッスン 添削とメモ 「野菜のおすそ分け…」 [仏作文力養成]

6回目の仏作文、添削していただいた。

お題はこちら。
  ↓
「家庭菜園でとれた夏の野菜を、隣の家におすそ分けした。渡すときに私の口から出たのは「つまらないものですが」ということばだった。やっととれた野菜に少し誇らしい気持ちもあったのに、日本人はどうしてこのような言い方をしてしまうのだろうか。」

私の書いた作文

J’ai partagé avec mon voisin des légumes qui s’étaient récoltés dans mon petit potager. Quand je les lui ai passés, j’ai dit « Ce sont des choses sans valeur. », bien que je tire une petite fierté de ces légumes récoltés qui étaient la résultat de mes efforts. Pourquoi est-ce que les Japonais ne peuvent parler que de cette façon ?


家庭菜園でとれた夏の野菜を、隣の家におすそ分けした。
J’ai partagé avec mon voisin des légumes qui s’étaient récoltés dans mon petit potager.
直訳 「私は隣の人に私の小さな菜園で収穫された野菜を分けた。」
  ↓
J’ai partagé avec mon voisin des légumes que j'avais récoltés dans mon petit potager.
直訳 「私は隣の人に私の小さな菜園で自分が収穫した野菜を分けた。」


partager avec  ~に分ける à ではなく、avecと結びつく

se recolter  収穫される、得られる
一見良さそうなのだけど、
Les légumes s'étaient récoltés.   野菜が収穫される
           一般的な情報っぽく、野菜を自分で収穫した感じがしないらしい。
J'ai récolté des légumes.   私が野菜を収穫した

des légumes que j'avais récoltés 私が収穫した野菜
           収穫したのは、おすそ分けより過去のことなので、時制は大過去。

「家庭菜園」 直訳的にfamirialなどを使わない方が良い。
potager  自分で消費する野菜を作るところ → 菜園
chanp   一般的に畑 ここには合わない。
jardin   庭園、公園  
       果樹園 jardin fruitier 菜園 jardin potager などで農園も可だが、
       ここで使うには、ちょっと意味が広い。

脱線で、jardinにまつわるお話。
Il faut cultiver notre jardin.  「自分の畑を耕さなければならない」
ヴォルテールの「カンディード」の結び。
「吾輩は猫である」の冒頭を日本人ならだれでも知っているように、
フランス人なら誰でも知っているとのこと。
私の解釈では、「他人に耕すことを任せることも、他人の畑に入り込んでいくわけでもなく、
そのように自分のことを自分で行うべきなのだ」と言いたいのだと思う。


渡すときに私の口から出たのは「つまらないものですが」ということばだった。
Quand je les lui ai passés, j’ai dit « Ce sont des choses sans valeur. »,
直訳 「私は、それを彼に渡した時、「価値の無いものですが」と言った。」
  ↓
Quand je les lui ai passés, j’ai dit « Ce n'est pas grande chose. »,
直訳 「私は、それを彼に渡した時、「大したものではないですが」と言った。

「つまらないものですが」
Ce sont des choses sans valeur.
私のは完全に日本語からの意訳で、意味は通じるけれど変。
フランス語でこういう時に使うときによく言われる言葉。
Ce n'est pas grande chose.  ここは冠詞なしで使われるので注意。
Ce n'est presque rien.


やっととれた野菜に少し誇らしい気持ちもあったのに、
bien que je tire une petite fierté de ces légumes récoltés qui étaient la le résultat de mes efforts.
直訳 「自分の努力の結果であるこの採れた野菜たちをちょっと誇らしく感じていたのに」
  ↓
bien que je tire une petite fierté de ces légumes qui étaient le fruit de mes efforts.
直訳 「自分の努力のたまものであるこの野菜たちを誇らしく感じていたのに」

「あったのに」
「~にもかかわらず」 bien que sub.
「~なのに」      alors que ind.  この二つが使えそうだが、法が違うのに注意。

似たものとして、tandis que があるけれど、ここにはちょっと合わないそうだ。
tandis que  ~する間に(同時性) ~であるのに、~する一方で(対立性)
事実の同時的な対立性を表わすのに使うのかな。

「少し誇らしい気持ちもあったのに」
bien que je tire une petite fierté
本当なら、接続法半過去になるけど、これでもOKでしょうとのこと。
接続法半過去なら、以下のようになるのかな。
bien que je tirasse une petite fierté

「やっととれた野菜」
「やっと」この一語は短いけど気持ちの入りやすい言葉と思う。
ここをどう表現するかで悩んだ末に、「私の努力の結果であるこの野菜たち」
ces légumes récoltés qui étaient la résultat de mes efforts. と書いた。
概ね工夫は理解可能だったようで
「とれた」と日本語では書かれているので、récoltés入れているが、
récolterしたことはすでに説明済みなので書かない方が自然。
le fruit de mes efforts  「努力の結晶」の意味の慣用句


日本人はどうしてこのような言い方をしてしまうのだろうか。
Pourquoi est-ce que les Japonais ne peuvent parler que de cette façon ?
直訳 「なぜ日本人はこのようにしか話せないのか」
  ↓
Pourquoi les Japonais ne peuvent-ils parler que de cette façon ?

ここはこれで良いと言われた。
ne queを使っているのもよいとほめられて舞い上がる鳥×2
しいて直すならば、書き言葉なので、倒置疑問文にするとよくなるとのこと。

とはいえ、同じ状況を示しているとはちょっと納得のいかない風の私に、
先生は「アスペクト」(日本語では「相」というらしい)なるものについて説明してくださった。

事象の流れをどうなっているのかの違いを現わすものらしい。
この「アスペクト」が、日本語には多く、フランス語は少ないのだそうだ。
それゆえ、アスペクトが絡むと同じようには訳しようがないことがある。
フランス人の日本語にはアスペクトが欠けがちで、
日本人はアスペクトにこだわってフランス語に工夫入れがち、どちらも不自然。

文法的なことなので理解が不十分なのだが、
結局のところ、先生のお話を聞いていると、どうやら上記の文章の「してしまう」という部分を
無理にフランス語に当てはめて訳そうとしない方がいいということらしい。
まぁあんまりわかってないので、日本語のアスペクトに関しては、そのうち学習したい。

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