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アナと雪の女王の主題歌 フランス語版 Libérée, délivrée を訳してみた [フランス語に関するメモ]

アナと雪の女王の主題歌を訳してみた。



Libérée, délivrée
  Libéréeもdélivréeもほぼ同じく「解放された」という意味。
  同じ言葉の繰り返しをさけて、シノニムを並べるのがフランス語らしい。
  解き放って、自由になって ベタに訳すとそんな感じ もう少し良い訳思いつきたいのに
  主体のエリザは女性なので、女性形のeがついている  歌詞の中にも同じ変化形あり

原詩を知りたい人はクリック → ここ(他サイトです)

まずは、直訳  かなり直球訳なので、日本語として変なところもある

  冬が静かに夜の中に住み着くと、
  次は、雪が女王になる
  孤独な王国ね
  私の居場所は永遠にそこになの
  私の中でうなる風は明日のことはもう考えていないわ
  その風はとても強すぎて
  私は闘ったけど、無駄だった

  (この後の部分は父王の言葉。tu(お前)がエルザにあたる)
  お前の力を隠しておきなさい このことはしゃべってはいけないよ
  気をつけなさい 秘密は保たれるだろう
  心の迷いを持たずにいれば
  感情的な苦痛を感じなければ

  解き放たれて、自由になって
  私はもうこれからは嘘はつかないわ
  解き放たれて、自由になって
  決めたわ、私は立ち去るのよ
  子供時代は夏に置いてきた
  冬の中に迷いこんでいる
  寒さは私にとって自由の代償なの

  高いところから眺めると、
  すべてが取るに足らないことのように思える
  悲しさと不安と恐怖は 
  ずっと前に、私から離れていったわ

  私が自分に何が出来るのか知りたいの
  この不思議に満ちた魔法から起こること
  善でも悪でも、私は言うわ、仕方のないことだと
  仕方ないことなのよ

  解き放たれて、自由になって
  星たちが私に手を差しのべてくる
  解き放たれて、自由になって
  そうよ、私はもう泣かないわ
  私はここよ
  そうよ、私はここにいるのね
  冬の中に迷い込んでいるの

  私の力は空からやってきて、
  空間を満たしていくの
  私の魂が表現されていく
  氷に描かれ、刻み込まれて
  そして、私の思いが氷の結晶の花々になるの
  私は戻らないわ
  過去は過ぎ去ったのよ

  解き放たれて、自由になって
  この先、なにも私を止められないわ
  解き放たれて、自由になって
  完璧なプリンセス以上だわ
  私はここにいるわ
  私はこうすることを夢見ていたのだから
  ずっと冬の中で迷うことになっても、
  寒さは私にとって自由の代償なの

フランス語 → 日本語直訳 だとこのくらいでしょうか?

訳していて、きちんとイメージを捉えてないなと感じる部分が多いことに気が付いた。
俳句や短歌を読んで、その言葉の意味はわかっているけど、
その裏の背景や心情が読み取れてないって感じか?

辞書で、慣用表現の部分を確認し、比喩的な部分は何を指しているのか補足して、
私なりに捉えた歌詞のイメージにそって訳してみた。

以下、意訳

  冬がそっと闇の中に降り立って
  雪が女王のようにふるまう
  静寂の王国
  ここが私の住みかにふさわしいわ
  うなり風のような力のせいで、これからどうするかなんて考えられない
  この力は強くなるばかりで
  抗ったけど、もう無理なのよ

  (ずっと言われていたわ お父様に)
  お前の力は隠すんだよ 力のことはしゃべってもいけない。
  気をつけなさい 秘密を守り続けるためには、
  心の迷いや恐れを持たないようにしなくては (って)

  でも、力を解き放って、自由になれるなら
  これからは、もう自分をいつわったりしないわ
  ここなら、力を解き放って、自由になれるかも
  決めたわ、私は行くわ
  夏の世界と子供時代に別れを告げて、
  この先はずっと冬の世界で生きていくの
  寒くても、自由のためなら構わない

  高いところから見下ろしてみると、
  すべては取るに足らないことだと、気が付くものなのね
  悲しさ、不安、恐怖 どれも
  ずいぶん前に消え去ってしまったみたい

  自分に何が出来るのか知りたいの
  この不思議に満ちた魔法によって起きることは
  良いことでも悪いことでも、仕方のないことと今なら受け入れられる
  私の力に伴うべきものなのだから、仕方ないのよ

  解き放たれて、自由になった私に
  星たちが手を差しのべてくるわ
  解き放たれて、自由になった私は
  そうよ、もう嘆いたりしない
  私はここよ
  そうよ、私はここにいるのね
  この先ずっと冬の世界で生きていくわ

  天から授かった私の力が
  周りにあふれていくわ 
  私の魂を写しとって、
  氷から絵や彫刻を生み出していく
  そして、私の思いが結晶化して氷の花々になるの
  私は戻らないわ
  過去には戻れないのよ

  解き放たれて、自由になって
  この先、私を阻むものはなにもないのね
  解き放たれて、自由になって
  完璧なプリンセスより素晴らしくなれる
  私はここにいるわ
  私はこうなることを夢みていた
  この先ずっと冬の世界で生きていくのよ
  寒くても、自由のためなら構わないわ


かなり勝手に訳して、この歌が心境の変化の過程を描いていると気が付いた。
エルザは力をコントロールできずに山に逃げてきたのに、この場面で心境変化する。
4分ないのに、盛り込みまくっている。筋立ては下のよう。

1 冬の世界のさみしさと、力がコントロールできなくなった事実
  自分の力がこの世界に属するものだから、ここで生きる方が良いと考え始める
2 これまでの自分を押さえつけて努力していたことを父王の教えで説明
3 サビ 力があふれてもよいこの場所で自らを解放し、これまでの人生と積極的に決別する
4 これまでと立ち位置を変えたことで、心境が変化し、心が軽くなる
5 心境の変化がさらに進んで、力を使ってみたい気持ちになる
6 サビ 力と自分の人生を肯定する気持ちが強まる
7 力をギフトと捉えて、美しく使うことで、過去への決別をさらに強く意識する
8 雪の世界にいる自分を非常に肯定的にとらえることができるようになる

ってな感じでしょうか。
あくまで、私の勝手な解釈なので、ご参考程度に。

以下、フランス語と訳に関するメモ

le vent フランス語版では比喩的にエルザの魔力をさしていると解釈
J'ai lutté, en vain = En vain ai-je lutté. 戦ったけど、無駄だった。
états d'âme 心の迷い、逡巡
tourments de sentiments 感情による苦痛 → 恐怖や不安が代表?
J'ai laissé mon enfance en été  夏は生まれ育った王国を象徴していると思う。
Perdue dans l'hiver
  Je me suis perdue dans l'hiver.  
  私は冬の中で道に迷っている  この「迷った」の解釈が一番簡単。
  直前にC'est décidé, je m'en vaisと かなり積極的にこの状態をえらんでいるのだ。
  どうも迷うという受け身な状態では、ここの心情が説明つかない。
  ふと、se perdre dans「 ~に没頭する、ふける」の意味もあることに気が付き、
  迷った状態にとどまる → ある状態に居続ける と、勝手な解釈をしている。
le froid est pour moi le prix de la liberté
  寒さは私にとっては自由のための対価・代償。というのが直訳だけど、
  日本語としては堅すぎる印象で、意訳ではどういう言葉を使う? 思いつくのは
  自由のためなら 寒さなんて構わない
  自由を手に入れるには、寒さを受け入れるわ  こんな感じ
  「気にしない」、「気にならない」も使えそう。でも、この二つは若干違うな。
  日本語として、「気になるけど、気にしない」は可能だけど、
  「気にするけど、気にならない」は不可能だな。
  「気にする」のは行動で、「気になる」のは状態にあたるのだな。
  この歌では、孤独や寒さは嫌なものと思っている節も伺われ、
  その上で寒さを受け入れる意思を示しているので、使うなら「気にしない」がよいかな。
prendre de la hauteur 上昇する、高見の見物をする、超然とした態度をとる
   山に登っている事実を比喩的に使っている面もある?
depuis longtemps  ずっと前から
là   ici と対比すると、そこ、あそこ の意味になるが、
    会話では、対比なして「ここ」の意味に使うことが多い。 


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